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人材戦略部長に聞く ── 求める人材像

お客さまと従業員にとっての「地域一番店」を目指して

少子高齢化問題が日本全体を覆う昨今、幸いにも私たちの事業エリアである東急沿線地域は2035年まで人口の増加が予測されており、非常に恵まれたマーケットを有していると言えます。しかし、それでも約5年後をピークとしてゆるやかに人口が減少、つまり「沿線地域の胃袋が小さくなっていく」中、食品を中心としたチェーンストアである当社を取り巻く環境も変化していきます。 また、郊外型ショッピングモールやネット通販の台頭により、消費者はさまざまな販売チャネルを選択し、商品を購入することができるようになりました。人口の減少と競合の増加により今後も厳しい生存競争が予想される中、東急ストアとして生き残りの道を模索していかなければなりません。

東急ストアは「地域一番店」を会社が目指すべき旗印として掲げています。それは、「お客さまが一番来店したくなる店」そして「従業員が一番働きたい店」という、顧客満足度と従業員満足度の両立を目指したものです。 従業員満足度向上を目指す。これは、「お客さま第一主義」が基本の小売業の中では特異に映るかもしれません。しかし、まずスタッフ一人ひとりが仕事に誇りを持ち、充実して仕事に打ち込めるような働きやすい環境をつくり、スタッフ一人ひとりが生き生きと働くことで、本当にお客さまの目線に立った店舗運営が実現できると考えています。 従業員満足度を高めることで、それぞれの持てる力を発揮し顧客満足度を向上させる。そのサイクルの重要性は、市場や店舗がどのように変化しようとも変わらないものだと思います。

チャレンジ精神と真面目さを兼ね備えた人材に期待

若手社員には多様なキャリアステップを歩ませることで、視野の広さや考える力を養って貰いたいと考えています。特に、当社は小売業の中でも生活に欠かせない食料品の販売が事業の中心となっていることもあり、敢えて何か考えて行動を起こさずとも、ある程度店舗を上手く運営できてしまう側面があります。そのため、「本当に求められていること」を先回りして考える姿勢がなければ、店舗、ひいては会社の発展を臨むことはできません。

新入社員は、鮮度や発注数の管理・売上の予測といったように、スーパーマーケットの基本である、傷みやすい食材を売ることの難しさを学んでほしいという想いのもと、まず店舗で生鮮の業務に就くことが通例となっています。しかし、それはあくまでも多様な仕事の中の一分野に過ぎません。「生鮮食品一筋」という、プロフェッショナルな一方でつぶしのきかない人材となるよりは、店舗と本社の双方の業務を体験し、接客・買付・マネジメント等々、幅広い知識を持った人材を育てていきたいと考えています。

「最近の若者は」とはいつの時代も言われる言葉ですが、近年当社に入社した若手社員に限って言えば、自己主張が控えめな傾向があることに、若干の物足りなさがあるのは事実です。しかし、明確な目標を立てることさえできれば、それに向かい真面目に業務を遂行する姿勢や能力は非常に優れていると感じています。 刻々と変わる市場ニーズに遅れずに対応していくためには、時代の変化に敏感な若手の力が不可欠です。若い皆さまには、「リアル店舗での物販」という基本を受け継ぎつつ、新たなことにチャレンジするパワーと仕事への誠実さを兼ね備えた人材となっていただきたいと考えています。

  • 本文の記述内容はすべて取材当時のものです。
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